KUMIKO HAYASHI OFFICIAL

第186回通常国会 厚生労働委員会 2014年04月01日

第186回通常国会 厚生労働委員会 2014年04月01日

○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 田村大臣には初めて質問をさせていただきますが、田村大臣はかねてから保育問題に非常に熱心に取り組んでおられまして、民主党政権時代にも、子ども・子育て新制度、当時は子ども・子育て新システムとかいう呼び方もしていましたが、その三党協議の実務者としても調整に当たっていただいて、子ども・子育て関連三法案の成立にも大変御尽力をいただきました。

 私も、文部科学大臣政務官のときに、大臣もとても親しくしていただいていますが、小宮山洋子前厚生労働大臣と一緒にこの子ども・子育て新制度のワーキングチーム、検討会議などに参加をして、この新しい制度を、まさに次の世代を担っていく子供たちをしっかりと育んでいく制度をつくっていこうということで取り組まさせていただきました。

 当時、振り返ると、様々なステークホルダーの方が会議に参加をしていらっしゃいまして、それぞれにやはり子供のことを考えてはいるんですけれども、やはり背負っているものがいろいろあって、非常に議論も難しい中でスタートいたしました。今日は、役所の方も当時のメンバーの方も後ろに控えていらっしゃいますけれども、そうした意味では、本当に途中、これまとまるのかなと思うぐらいに議論は厳しかった。それを常に、いや、いろんな御意見はあるけれども、まずは子供たちにとって何が最善の利益なのかという原点に立ち返りましょうと言いながら、議論しては原点に戻り、議論しては原点に戻りということで積み重ねてきたわけでございます。

 待機児童の問題はもちろん、幼稚園と保育所の一体化や学童保育の改善あるいは小規模保育所への支援、さらには質、量の拡充をまさに実現するための内容で、私は、非常にこの子
ども・子育て新制度が成立したことをうれしく思っているし、来年四月からいよいよ本格的に始まるということで大変に期待もしているところでもございます。

 しかし、それを前にして、今回本当に痛ましい事件が発生をいたしました。ベビーシッターを名のる男に預けられた横浜市磯子区の兄弟のうち、二歳の男の子が亡くなってしまったと。私も息子がおりまして、今度、小学校新六年生になるんですけれども、二歳のときどうだったかなと思うと、やっぱりママ、ママ、ママ、ママと、寝ても覚めてもママ、ママで、本当にだっこすると丸くて柔らかくて温かくて、そういう二歳の男の子が一体どんな気持ちで最期のときを迎えたんだろうかと思うと本当に胸を締め付けられる思いです。

 今回はインターネットのベビーシッターのマッチングサイトを使って両者が知り合ったというか子供を託す形になったやに報道されていますけれども、当時、子ども・子育て新制度の議論をしているときにはこういったことが起きるなんていうことを本当に想像もしていなかったといいますか、非常に現実のこのインターネット社会というのは我々の想像を絶するスピードで拡大をしていると、その中に子供たちも巻き込まれているということなんだと思います。

 そういう今回の事件を受けて、世の中にはお母さんの責任を追及する声というのがありますけれども、親の責任と同時に、やっぱりこういうインターネットのマッチングサイトを利用せざるを得ない人たちがいるんだということをやっぱり政治はしっかりと受け止めなくてはいけないんだというふうに思います。今回の事件を教訓に、こうしたことがもう二度と繰り返されないように、そういう思いでちょっと今日は大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、大臣、今回の事件についてどんなふうに感じていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。

○国務大臣(田村憲久君) 私も、大変この痛ましい事件、お亡くなりになられましたお子さんには心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 今委員おっしゃられましたとおり、いろんなことを言われる方がおられますが、しかし、実態として、このサービスをやはり受けざるを得ない、そういう実態があるわけであります。それはいろんな側面があると思いますが、しかし実際問題、子供がそれによって命を落とすという状況が生まれたわけでありますけれども、そういう環境があるということをどのような形で国として対応していくか、これは大変重要なポイントであると思います。

 特に、このインターネットというものを使う場合、一つは、そのサービス事業者、今回の場合、個人でありますけれども、名前、住所、これが分からない。さらには、ベビーシッターといいながら、自宅の方に来たわけではなくて、どちらかというとこれは逆に預かっているというような形でございますから、その預かっている場所も分からなかったという状況があるわけでありますし、あわせて、資格があるのかどうかもよく分からない。更に申し上げれば、情報提供すら本当かどうか分からないと。

 今回の場合もうそがあったわけでありますね、以前使って、この方はということで違う人をと思っておったら、違うようなニックネームで登録しておったということでありますから、そういう意味では、インターネットを介した仲介というものの秘匿性みたいなものがあるわけであって、これをどうするかということをやはり考えていかなきゃならぬわけであります。

 一方で、いろんな規制を強めるという方法もありますが、規制を強めた結果、実際、利用される方々がそれによって費用が大幅に増えるというような形でサービスが受けられないというのも、これまた一つ問題もあるわけであって、そういう部分をいろいろと勘案しながら、どのような形で対応していくか。

 今ちょうど類似の形態のサービスに対する実態調査を始めております。この実態調査の結果を踏まえながら、規制をするための必要性等々を勘案してこれは検討してまいらなければならないと、このように考えております。

○林久美子君 今回の事件から浮かび上がる私自身の問題点は、実は四つあります。

 一つは、この子ども・子育て新制度で今回のような事件が防げるようになるのかということが一つ。二つ目は、やはり、とはいっても保育ニーズの緊急性や多様性、これにいかに迅速に対応していくのかということです。三つ目は、今大臣おっしゃいましたけれども、低所得者対策です。そして四つ目は、冒頭申し上げましたが、急激に拡大し続けるインターネットのこうしたサイトにどう対応するのかということです。

 時間も限られておりますので順次テンポよくお伺いしたいと思いますが、まず一点目の、今回の事件のようなことが子ども・子育て新制度で防げるのかどうかということですが、恐らく今回は新制度の中の一時預かりの訪問型のような感じになるのかなと。実際、今回の事件は、私は認可外保育所の形態だと思っていますが、ただ、ベビーシッターということであるとするならば、一時預かりの訪問型になるのかなというふうに思いますが、しかしながら、これは確かに保育の必要性の認定を受けない子供たちが、過疎地や障害児等も含めて、対応できる体制を訪問事業できちっとつくってやっていこうということではあるんですが、これはあくまでも事業の実施主体が市町村なんですよね。

 確かに、自治体の自主性というのは大事だし、それを尊重してしっかりと地域の需給バランス見てもらおうということでこういう仕組みにしてはいるんですけれども、果たして新制度で今回のような事件を防げるとお考えでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 今般のことに関しましては、留意点等々、注意喚起もさせていただいたわけでありますし、インターネットのサイトの運営者にもその留意点を載せていただくような要請もさせていただいておるわけでありますけれども、今お聞きになられた点からいたしますと、一つは、地域型給付事業の中の居宅訪問型の保育事業という形、これは、例えば一人親の夜間というような形、それから障害児のお子さん、こういうような方々に対して対応する事業は、これは二分の一補助の地域給付型でもあるわけでありますが、限られておるわけであります。

 今委員がおっしゃられた意味からいたしますと、一時預かり事業、それからあと子育て短期支援事業、これは夜間の要するに宿泊等々を含んでおるわけであります。こういうもので、言われたとおり、地域子ども・子育て支援事業の一つでありますから、市町村主体になって、今考えておりますのは補助率も三分の一ぐらいであるわけであります。

 当然のごとくこれは義務的経費ではございませんので、そういう意味では予算の規模もあるわけでございますから、そういう意味でこれが全て今言われたようなベビーシッター問題、今般のベビーシッター問題に対応できるかというと、地域によってもかなり量は違うわけでありますから、それ全て需要といいますかニーズに対応できるかというと、なかなかそうじゃない部分もあるのではないかということも予測できるわけでありまして、そういう意味では、認可外というものに対してもどう対応していくかということはやはり検討していかなきゃならぬ課題であるというふうに考えております。

○林久美子君 認可外への支援の在り方も確かに課題でありますし、今ほどお話がありました居宅訪問型保育、でも、これは保育の認定が必要なんですよね。だから、急遽のときにどれだけ対応できるかというと、これはやっぱりなかなか私は難しいんじゃないかなと思います。

 私事で恐縮ですけれども、私も、まだ子供、息子が三歳ぐらいのときに、この仕事をしていましたので私の実母に結構いろいろ助けてもらっていたんですね。その母ががんになって入院をして、結構長期にわたって入院をして、当然子供も保育所にも入れなくて、ベビーシッターさんをお願いしたことがありました。そのときに、やっぱりシッターさんと子供の相性ってあって、うちの息子はもう当時三歳でしたから、最初の人とは合わなくて、泣いて電話掛かってきたんです、ママと言って。三人目ぐらいで割と合う方が見付かったんですね。ただ、単発でのお願いなので、毎回その方に助けてもらえるとも限らないし、非常に難しいと。

 私、使ってみて思うのは、じゃ、ベビーシッターさんにお願いするから、その都度、例えば保育士資格を見せてくださいとか、どういうキャリアがあるか確認をさせてくださいとかという余裕はほとんどない。もうとにかく優しく扱ってくれて、安全に子供の面倒を私が帰るまでの間見てくれる、そういう人であれば、もうわらにもすがる思いでやっぱりお願いをするわけなんですね。

 そういうことを思うと、やはりこのベビーシッターには、保育とかいろんな形態があるけれども、一定のニーズがやはりあるんだと思います。一つの保育形態として大事なんだと思います。にもかかわらず、現在の状況では、ベビーシッターには公的な資格や行政への届出義務はないと、誰でも名のってしまえばベビーシッターになれてしまうと。

 そういう意味において、二つ目の問題意識なんですが、この緊急性や多様性に対応していくという意味では、ベビーシッターというものを一定しっかりと位置付ける必要があるのではないかと。とすれば、ベビーシッター資格の創設や、一定、行政の関与もやはり必要かと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 現在でいいますと、全国保育サービス協会、ベビーシッター協会とよく言われておりますけれども、ここの研修事業、これに国が一定の補助をいたしております。

 ベビーシッターの資格というものをつくるかどうかというのはなかなか難しい問題でありまして、それによって、やはり学んでいろんな資格を取るために、もちろん研修等々はしていただきたい部分はあるんですけれども、余りハードルが上がりますと先ほど言ったような問題が起こってくるわけでありまして、それをどう考えるか。ただ一方で、子供たちの安全性を考えた場合に、やはり一定の知識は持っていただきたい、経験を持っていただきたいというのもあるわけでありまして、そこは非常に悩ましいところであります。

 それから、国としてどう関与するか。今言われたように、認可外というふうな形なのか、それともベビーシッターという自宅に行って見るというような形態を捉えるのか、ちょっと捉え方によって違うんですけれども、今、要するに認可外に関しては五人という基準を一つ設けながら、それより大きいところに関しましては都道府県に、これは児童福祉法にのっとって届出をしていただくという形になっております。でありますから、その届出ということも、今実態調査しておりますけれども、その必要性に応じては検討をしなければならないのかなということで、今いろいろとその点実態調査に入っておるわけでございまして、どういう形態で関与するかというのはこれからの検討の中においていろいろと議論をさせていただきたい、このように思っております。

○林久美子君 ベビーシッターさんもやっぱり保育士さんと同じように、資格をつくっても、仮に、きちっとした待遇がないと、資格は持っているけどやらない人というのが多くなるんですよね。もう大臣よく御存じのように、保育所の待機児童問題も、保育士さんはいっぱいいるんだけれども待遇が悪いからやってくれないわけですよ。施設が足りないから待機児童ということもあるけれども、一方で、保育士さんが来てくれないから本当はもっと人数見れるのに見れなくなって待機児童が起きているというやはり地域もあります。そうした意味では、待遇の問題と同時に、やっぱり私はこれ、資格をつくることで同時に一定の待遇を付けていってより量の拡充を図っていくというのも一つの選択肢ではないかなと思うんですね。

 大臣おっしゃったように、ベビーシッター資格認定制度、全国保育サービス協会への支援も国がしていらっしゃいます。していらっしゃいますけれども、やはりこうした事件を契機に、やはりその部分はもう少し手厚く、より手厚くしていただいて、もっとその辺の、質のいいベビーシッターさんが、国の資格とするかどうかは別ですけれども、認定資格を持っている方が増える取組をこれは是非していただきたいと思います。

 あわせて、子供を預かる施設については届出制度も検討すると今お話しいただきました。ちょっと先ほど申し上げましたが、私は、今回の事件は認可外保育所のやはり形態でありましたので、五人以下のところは届けなくてもいい、だから一体どこで何がされているか分からない、どんな人が子供を見ているか分からないという状況がありますので、私もこれは広く届出制度に、是非今回のことを契機にかじを切っていただきたいというふうに思います。

 今回の事件で、私もベビーシッターサイトというのをいろいろ見てみたんですね。大臣も御覧になっているかと思いますが。会員になるとシッターさんの顔が見えたり経歴も見えるというサイトもあれば、全くそうじゃなくて、何か顔も出ていない、経歴もよく分からないというような人たちがシッターと名のって、子供さんの面倒を見ますと書いているようなところが実はいっぱいあるんですね。それでもそういうところを頼らざるを得ない人がやっぱりいると。

 何でかというと、ちゃんとした資格を持った方たちに頼むと、やはり大きい企業が間に入るので、そこの研修費とか事務方の経費とか管理費とかいろいろ入りますから、費用が上乗せをされていきます。一定の所得がある人は使えるのかもしれませんけれども、シングルマザーの方とか、なかなか安定した仕事に就けていない方は、どうしてもそういう安いサイトに、直接契約だからどうしても安くできるわけですから、流れてしまうのではないかなと思います。

 それで、三つ目の問題意識の低所得者対策なんですね。質を担保すると、それだけ費用がかさむのは仕方がないと思います。でも、子供の命に関わる部分ですから、私はそれでいいんだと思います。それに対してどう政治が支援をするかなんだろうということを考えると、これはフランスとかアメリカとかでも、海外でも一定導入をされていますが、こういう一定の質を保ったベビーシッターさんにお願いしたときには、その分は税額控除の対象にするんだという仕組みを導入している国って結構あるんですね。これ、大臣、御検討いただけないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) これ、今言われた部分に関して、例えば米、英、仏、独、スウェーデン、こういうところでどうかということは、今ちょっとまだ我々もしっかりと把握しておりませんので、これは調査をしなければならぬというふうに思っておりますが。

 いずれにいたしましても、一月二十日、余り皆様方はよろしく思われておられない産業競争力会議というのがございまして、いつもここで怒られているんですけれども、ここで、やはりこのベビーシッター等々を利用する子育て、こういう方々の支援として、利用した場合の税額控除みたいな形の一つ軽減策というもの、利用者負担の軽減策、これ、いろいろと検討しろというような方向でございます。

 それも踏まえてどういう方法があるのか、所得税に控除するのか何か、ちょっと検討しなきゃいけませんが、低所得者ですと実は税金も払っておられないという方々もおられるかも分かりませんから、これはなかなかどうするのがいいのかというのは問題があるわけであります。先ほど言いました地域子ども・子育て支援事業の中ですと、これは一定程度公費が入るわけであります。ただ、先ほど言われたとおり、地方の負担もかなりあるわけでございますので、どのような制度設計にするのかも含めて、その点が問題があるわけでありますが、いずれにいたしましても、どういう在り方があるのか、これは検討をしてまいらなけりゃならぬというふうに思っております。

○林久美子君 税額控除についても検討をいただけるということですが、取りあえずとして、まずは、例えば一定の質を保っているシッター会社を応援をして、そこのパイを増やしていくというのも、これまた一つのやり方なわけですね。例えば、妊婦健診なんかでしたら公費が入っていますから、私なんかの頃は何か券が付いていて、それを持っていくと返ってくるか、ただになるか、何かそんなのだったんですけれども、例えばバウチャー券みたいなものを付けてみるとか、実は余り質のいいところが知られていないとかいう問題もあるし、質がいいところは高くて使えないという問題をクリアしようと思うと、そういうところを育てながら、そういうところに誘導していく仕組みというのも一つあるのかなとも思いますので、税額控除と同時にバウチャーみたいなものも御検討いただければというふうに思います。

 今、お金の話が出ました、財源の話が。子ども・子育て新制度は一・一兆円掛かると。今、残念ながら、現政権下では七千億しかめどが立っていないわけですね。私もいろいろお話を伺っていると、例えば地域の子育て家庭に向けた活動を実施するための費用も、所要額は五十九億円なのに十八億程度しか確保できる見込みが立っていないと。あるいは、地域の教育・保育、子育て支援の利用についての情報提供、相談、助言、関係機関との連絡調整をする利用者支援事業も三百四十二億円の所要額のうち百九十二億円しかめどが立っていないと伺っています。

 昔のように、おじいちゃん、おばあちゃんがみんなそばにいて、地域社会がしっかりとあれば、こういうことって要らなかったんだと思うんですよ。逆に言えば、ベビーシッターだってこれほどまでにニーズが高くならなかったかもしれない。でも、今、残念ながら、産業構造を見ても都市部に企業が集中をする、あるいは核家族化が進んでいる、こういう中においてはもうしようがないわけですよ、しっかりと政治が支えるしか。やっぱり子供たちを、少子化だから子供を産んでもらおうという前に、生まれてきてくれた子供たちをやっぱりしっかりと育てることをしていかなくちゃいけない。であれば、当然この財源の確保は、それはもう何があっても行っていかなくては私はいけないんだというふうに思います。

 この点について大臣の御見解をお伺いしたいというのが一点と、もう時間もありますので併せて伺いますが、今回のインターネット対策ということに関しては、インターネットを介した事業については完全に双方間の合意のみで今やってしまっていますけれども、何の基準もないままに契約が成立しているということを考えれば、手続とかに、これも規制の掛け方、なかなか難しいと思うんですが、一定の要件とか基準をやっぱりこれはしっかりと政治が責任を持っていって、その辺りは枠組みをつくって掛けていく必要が私はあるのではないかと思いますので、この二点についての御答弁をお願いします。

○国務大臣(田村憲久君) 財源に関しては、これは三党で法律を作ったときからの課題でございまして、そういう意味では、七千億円は消費税の部分で対応できる、残り三千億円強どうするかということで、参議院の附帯決議の中でもお書きをいただいたわけであります。

 昨年六月だったと思いますけれども、少子化社会対策会議、これ全閣僚出席の下でやりまして、その中で緊急提言をいたしました、緊急対策といいますか。その中において、この七千億円はこれはまあ当然でありますけれども、更に一兆円、つまり三千億円強、これを確保することを努めるというふうにしたわけでございまして、努めるじゃないかと言われるかも分かりませんが、しかし緊急対策という形でまとめたわけでございます。

 我々としては、やはり一兆円強を確保するために、厚生労働省といたしましても最大限努力をいたしたいというふうに思っております。

 あわせて、言うなればどういうふうな対応をするかでありますが、対応するためには当然のごとくまず実態調査をしなきゃならぬわけでありまして、どのような使われ方をしておるのかということも含めて今調査をいたしておりますので、それを調査した上で、どのような課題があるか、これを抽出いたしまして、それに対して今委員が言われたような観点も含めて対応できるべく、そのような方策を検討してまいりたい、このように考えております。

○林久美子君 最後に、少しだけきついことを申し上げます。

 財源確保のお話ありました。民主党政権時代は、当時、安住財務大臣が一兆円何とかするという答弁を一応しています、国会でしています。で、分かるんです、大変なのは、財務省と大変なんだろうなということはもうお察し申し上げます。しかし、この通常国会の冒頭で成立した補正予算ありますね、大臣。昨年秋の行政事業レビューで現政権が無駄だと判定した事業のうちの八割の三千六百億円が補正予算で復活をしています。私たちゾンビ予算と呼ばせていただいていましたが、この三千六百億円をそういうことに使うんだったら、こっちに振り向けた方が私はいいんだと思うんですね。だから、それは大変ないろんなパワーバランスの中で御苦労いただいていると思いますが、是非ここは大臣、闘っていただきたいということです。

 それともう一つ、実態調査をしっかりしてというお話いただきました。これ是非お願いしたい。ただ、昨日の状況で、このインターネット仲介業者を含めた実態把握のための調査というのは今後対応になっているんですよ、厚労省からいただいた資料では今後対応。今まだ着手していないんです。ですから、しっかりともうスピード感を持ってすぐに着手をしてもらって、今この瞬間も、ああいうシッターのサイトを使って子供たちを託している人がいるかもしれませんので……

○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑はおまとめください。

○林久美子君 大臣、くれぐれもよろしくお願いいたします。
 以上、終わります。